
JFK・I・APからグランド・セントラル・ターミナルへ と、片道15ドルのバスで行った。
バスの運転手のブラックのオヤジさんに 1ドルのチップを渡して
バッグを受け取って 「さんきゅー」と言ってから友人にケータイで
到着を伝えMds Av&E 43Stで待ち合わせた。
お昼を少し回ったところだった。
「そっから5分も掛からないから」と彼に言われ「おのぼりさん150%」でバッグをぶら提げての徒歩移動である。
彼から出発以前に「防寒」を頭に入れておいてと、アドバイスを受けていた。
それが、そんなには寒くは感じられなかった。
むしろ、ほんわかと暖かく
「春だなぁー」と高いビルディングに見下ろされ異国の人々と擦れ違いながらも「ぼけっ」と思った。
暖かさが随分と手伝ってくれたし天気も良かったので緊張感は思っていたより無かった気がする。
時差ボケと僕の生来のオマヌケとのーてんきの故だろう。
大都会のド真ん中でも春は感じられるのだ。
彼が立っていた。
道を挟んで横断歩道の信号のポールの側に。
信号のサインがWALKとなりこの街ならではのバリエーション豊かな様々な人々の波に紛れ僕は右足を前に出した。
「おぉー、久しぶりじゃん。とりあえず飯だろう」と、彼は言った。僕は「そうだな。何か食うか?任せるよ」と言った。
「マンハッタンに来て一発目の食事はやっぱり寿司でしょう?」と、言われ、ずっこけそうになったがいきなり思いっきり笑ってしまった。
こうして彼との長い様な短い様な日々が始まった。
僕は僕の気持ちの中で彼の攻撃のパターンを
「キューブリック攻撃」と解釈している。


ジョン・F・ケネディ国際空港で荷物をしばし見守ってくれた一回り程年下の男の子がいた。笑顔が素敵な桃太郎の様な彼だった。
彼の祖国は日本らしいが米在住との事だった。
彼はグランドセントラルまでのバスの中であれやこれやと面白い話を聞かせてくれた。御親切にも「チップは1ドルで大丈夫ですよ」と、教えてくれた。感謝であった。コーヒーの一杯も一緒に飲めなかったのは残念である。でも、その辺りで調度良いんだろうな。


キューブリック的でありたいと思って行動している訳ではないけれど、そう解釈されるのは嬉しいね。
一応俺が想像するベストな接待をしたいと企画したんだよ。
なかなか思うようにいかない事もあったけれどね、あの10日間は。
あれだけの多くのSCENEを僕に提供してくれたのに
「思うように行かなかった」
なんて言われると
僕は何て答えたら良いんだい?
まぁ、だから「君」なんだろうな。
とにかく今、思えば10日間なんて
短かったよ。
ようやくそっちの空気に馴染めた
辺りだったんだから・・・。