当たり前の様に季節は移り、過ぎて行く。
夏から秋、初冬へ・・・、と。
目に入って来る風景と肌に届く風や空気が
それらを僕に教えてくれている。
それらをきちんと、僕は受け止める事が出来ているのだろうか?
しっかりと、記憶に納めて染み込ませる事が出来ているのだろうか?

僕に
「まだ、まだぁー。オジサン、ファイト!!」
と、大きな声で叫んでくれた11歳の女の子は
何時の間にか上からサーブを打てる様に成っている。
「おとっつあん」は悔しいやら嬉しいやらで
とても、エキサイティングな心持ちなのだ。
僕が上からサーブを打てる日はまだ、とても遠い。

夏の終わりに雨がぱらついた中でボールを
返し続けなければならない時間が僕に在った。
この時は父親の知人・知人の息子君・僕の3人であった。
この時の二人の心持ちを僕は全く知らないが
あの瞬間、僕はしっかりと、きちんと、楽しかった。
こんな時間を僕は、僕が独りっきりで
「至福」で在った
と、言っても良いだろう。
二人に
「感謝」とか
「ありがとう」など
という言葉辺りで納まりを付けるのは僕にとっては
安易過ぎるのだ。
「また、遊びに来て良いのぉー」と、しか
今は、言えない。